視線の使い方と、運筆の関係

お子さんが、ひらがなや漢字を上手に書けないとしたら、目の動かし方に問題があるのかも知れません。
丸、四角、三角などの形をうまく描けない子のために、形をきれいに描くための、目と手の協応のトレーニングをしています。
上記の課題は、二本のななめの線をまっすぐに引いて、交わるところに点をうつというものです。
※線を引く時に赤丸の目印はありません
対象の子に1回目の練習をした時のものです。
左の線を描いた後、右の線を描いています。
黒い線が、その子が描いたもので、赤線は、実際にまっすぐ引いた時の正しい線です。
かなりずれているのが分かります。
なぜ、私達はまっすぐ線を引くことができるか
それは、ほぼ無意識に、手元と線を引く先(ゴール)を、視線をいったりきたりしながら、小まめに確認して、線の方向を補正しているからです。
しかし、眼球運動の苦手な子は、その補正ができません。
実際に、先程の線を引いた子の視線を観察しました。
すると、自分の書いている鉛筆のペン先だけを見ていて、線を引く先をほとんど見ていないことが分かりました。
(視線移動が、ほとんどない)。
そして、ゴールが偶然入って来たときに、あわててコースを補正する、これが線が曲がる原因と分かりました。
そこで、眼球運動のトレーニング(別記事参照)とともに、手元と線を引く先を交互に見る練習を行いました。
以下は、トレーニング後のものです。
トレーニング後

左の線は完全にまっすぐで、右の線は交わるまではまっすぐに描けています(その後は集中力が切れて曲がっている)。
このように、視線の使い方の指導で、当該生徒は、書字や描画時の歪みが改善されることが分りました。
今回は、視線移動と、線や形の歪みが、大きく関連しているという事例を紹介させて頂きました。
文字が上手に書けない子にとって、重要な視点だと感じています。
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発達障がいの子どもを天才に輝かす専門家。
上郷個別教室GIFT代表。
今まで直接教えてきた生徒は2000名以上。認知能力トレーニングと支援教材という、独自の手法で、発達が気になる子ども達の能力開発を行っている。
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