自閉症スペクトラムの子を苦しめる反芻思考(はんすうしこう)とは
ちょっと失敗すると、この世の終わり的なところまで気分がいってしまう。
そして、そこから抜けられない。
もしかして、お子さんはそんなタイプではないでしょうか。
これが自閉症スペクトラムの子に特に多い、反芻思考です。
これは、何かに失敗するなど引き金があると、そこからどんどん、ズボズボとネガティブ思考が広がっていくものです。
そして、そこから抜けられなくなってしまうのです。
反芻思考はネガティブにしか思考されません。
そして逆らいがたい説得力を持って本人に迫ってきます。
本人にとって、とても苦しいです。
知らないとやばい、反芻思考の子へのNG対応
そんな時に、私もつい、やってしまう対応の失敗があります。
- その子が何を苦しんでいるのか共感して聞いてあげる
- ネガティブな考え方を、ポジティブな考え方に変えようと働きかける
一見正しそうに見えますよね。
まず効果がありません。
効果がないだけでなく、更に反芻の奈落に突き落としていくことになります。
また、たまに上手くいっても、次はまた振り出しに戻り、同じことが繰り返されます。
では手はないのか。あります!
反芻思考を止める、意外なほどシンプルな方法とは
その方法を、発達障がいの専門家、吉濱ツトムさんが、紹介しています。
吉濱さんは、自閉症スペクトラムの当事者で、反芻思考に苦しんできた方です。
そういう方がこの方法で、ご自身に大きな効果があったと言われているので説得力があります。
とてもシンプルな方法です。
それは、反芻が始まりそうになったら、好きな言葉を、ひたすら連呼するのです。
「俺は海賊王になる!」でも「そんなのカンケーねぇ」でも、何でもいいです。
反芻に入るのがストップできたと思えるまで繰り返します。
もしやめて、まだ入りそうと思ったら、また繰り返します。
なぜこの方法で効果があるか
ふざけた方法と思われる方もいるかも知れません。
しかし、これは、人が一度に、2つのことを考えることができない原理を使っています。
例えば、1,2,3,4・・・と数を順番に数えながら、
1+2は3、3+3は6、6+4・・・と同時に、止まらず、足し算をしてみてください。
無理ですよね!
反芻のネガティブ思考を考える間がないくらい、別の思考で頭の中を一時的にいっぱいにすることで、反芻の嵐をやりすごすのです。
自閉症スペクトラムの子は、反芻に入ってしまうと、まるで意識が乗っ取られたように、自分の意志で止めるのが難しくなります。
しかし、反芻に入りかけた時なら、この方法で間に合います。
しばらく続けたら、憑きものが落ちたようになります。
ただ、効果はあるのですが、二つ問題があります。
それは、本人が反芻をやめたい思う気持ちを持つことが、大前提であるということです。
自閉症スペクトラムの子には、「やりたくない」と言われてしまい、試せないケースもしばしば・・・。
しかし、取り組めたら確実に効果があります。
もう一つは、子どもが反芻思考に入りかけていることを自分で認識できないケース。
その場合には、お子さんと「合図をしたら唱えるよ」というルールを事前に決めておき、お母様がここぞというタイミングで合図する必要があります。
ある程度の年齢の子であれば、自分の気持ちに気付く練習と組み合わせて行うSSTが有効と思います。
他にも反芻に入りそうになったら、
- 思い切り伸びをする
- 腕立てや腹筋などの激し目の運動をする
も効果がありました。
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発達障がいの子どもを天才に輝かす専門家。
上郷個別教室GIFT代表。
今まで直接教えてきた生徒は2000名以上。認知能力トレーニングと支援教材という、独自の手法で、発達が気になる子ども達の能力開発を行っている。
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