漢字が苦手な子の多くは、漢字以前に語彙力が不足

たとえば「おがわ」を漢字で書くとします。

もし、「おがわ」という読み仮名を見て、「小川」という漢字を思い浮かべるには、「おがわ」という言葉が小さな川を表わす言葉であることを、すでに知っていなければなりません。

そうでないと、もしかして「大川」と逆の意味を書いてしまうかも知れません。

つまり、ちいさな川を表わす言葉として「小川」という言葉を知らなければ、「小川」という漢字を組み合わせることはできないのです。

このように、漢字を覚えるためには語彙力を増やすことが先であると分かります。

では語彙力はどうすれば増やせるでしょうか。

語彙力を増やすには漫画が最適

 昔、漫画を読むと頭が悪くなる、とか、漫画は禁止、小説を読みなさい、という言葉がよく聞かれました。

しかし、漫画は語彙力が弱く、文章読解力が伸びない子にとっては最高の教材です。

 実際にGIFTでは、語彙の少ない子に、その子が好んで読んでいる漫画を使って、絶大な効果をあげています。

 なぜ漫画が効果があるか、その理由は

  • イメージと情報量、左脳だけでなく、右脳からインプットできる
  • 小3以降に躓きがちな、抽象的な言葉も、場面設定の中で使われるのでイメージしやすい
  • 感情移入できるので、記憶に残りやすい

この3つについて、もう少し解説していきましょう。

漫画は右脳と左脳を効率よく刺激する

まず、①と②は分かりやすいですよね。言葉だけでは意味を解釈したり、想起するのは左脳的な働きです。

しかし、漫画は、左脳の働きに加え、絵とストーリーという右脳的なアプローチがある訳です。

しかも右脳は大容量の記憶がしやすいのです。

例えば、本を読んで勉強してもなかなか記憶できないのに、映画をみたら、映像からセリフまで、一度見ただけで覚えてしまった、という経験はないでしょうか。

これは右脳の力です。右脳は外からの情報の取り込みを担当している脳なのです。

ちなみに左脳は,取り込んだ情報を言葉で分析する働きの脳です。

感情移入が脳の記憶にもたらす効果

また、③の「感情移入できる」は、非常に効果的です。

例えば、みなさんも好きなことはすぐ覚えるのに、興味がないことはなかなか覚えられないですよね。

これは脳の、記憶を司る海馬と、感情を司る扁桃体がとなりあっていて、ネットワークで結ばれているからです。

そのため、興味がないことは、扁桃体のフィルターにかけられ、重要な情報でないと判断され、海馬の記憶まで届かないということになります。

逆に興味のあることは、「重要情報」というフラグが扁桃体によって立てられ、海馬にしっかり記憶されます。

好きな漫画に出てくる語彙の定着が良いのは、このような理由によるのです。

 最後に、教材として選ぶマンガのコツは ①本人が大好きな漫画であること(絶対)②比較的に語彙が豊富なものであること、が良いと思います。

授業では、キングダム、るろうに剣心、僕のヒーローアカデミア、鬼滅の刃を使っています。

他にも、名探偵コナン、ワンピース、ハイキュー、葬送のフリーレン、薬屋のひとりごと、転スラなど、お子さんが好きな漫画なら、大抵有効です。

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投稿者プロフィール

内田 雄二
内田 雄二
発達障がいの子どもを天才に輝かす専門家。
上郷個別教室GIFT代表。

今まで直接教えてきた生徒は2000名以上。認知能力トレーニングと支援教材という、独自の手法で、発達が気になる子ども達の能力開発を行っている。

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