処理速度とは何か
さて、お子さんは、何かを作業するときに時間がかかるタイプですか。
このタイプの子は、WISC検査の検査項目である、処理速度が低く出ます。
処理速度とは、簡単に言えば、パソコンでいう、CPUの速さです。
CPUの速度って、パソコンの性能そのものといっても過言ではありません。
CPUの速度が遅いパソコンを使うと、何をするにも時間がかかり、動かないアプリも出てきますよね。
そう考えると、処理速度がなぜ、WISC検査の知能に関係してくるのも、何となく、うなづけると思います。
処理速度を心理検査で測る難しい理由
しかし、発達が気になる子達は、手先が苦手な子が多いです。
そのため、筆記タイプで処理速度を測ろうとすると、不器用さに影響を受け、処理速度が低く出ます。
しかし、手先の不器用さから作業に時間がかかっても、頭の回転の速い子はいくらでもいると思います。
手先の不器用さでIQが過度に下がってしまうのって、どうなのかなと。
(※WISCVでは少し改善されているようです。また、子どもの困り感を発見する部分では役に立ちます)。
不器用さと処理速度を切り離すトレーニングを考案
そこで、今回、このようなカードを56枚作り、左右の模様がいっしょかどうかを判定して、同じなら右、違ったら左と仕分けるトレーニングを行いました。
これを高速正誤判定トレーニングと言います。
サンプルはすべて左右が違うものです。
この方法だと、鉛筆を使わないので、より純粋な処理速度に近づけると考えました(それでも多少は影響を受けます)。
処理速度のトレーニングの効果測定
一方で、このトレーニングの技能が上がっただけでなく、処理速度の能力自体が汎化されているか確認するために、トレーニングを始める前に、1回だけ,次のような記号の課題をやります。
そして、こちらは、いっさい、トレーニングしません。
3ヶ月、週1回のトレーニングを実施しました。(途中、何回か抜けました)。
<6月初回>
<高速正誤判定> 2分31秒 0ミス
<記号> 34秒 0ミス
<9月>
<高速正誤判定> 1分47秒 0ミス
<記号> 24秒 0ミス
高速正誤判定の処理速度が、初回の71%の処理時間に上がっていることに対し、まったくトレーニングしていない、記号の方も処理時間が、71%に上がっていました。
参考までに、他の実施している子も、70%代でタイムが上がっていました。
このことから、このトレーニングは処理速度を上げるのに効果があると評価できます。
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発達障がいの子どもを天才に輝かす専門家。
上郷個別教室GIFT代表。
今まで直接教えてきた生徒は2000名以上。認知能力トレーニングと支援教材という、独自の手法で、発達が気になる子ども達の能力開発を行っている。
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